どんな質問にも即答し続けることで
お客様からの強固な信頼を獲得
「評価していただけたのは、お客様であるプラントメーカーからの質問に即答し続けたのが大きいと思います」。受注に至ったポイントは?という問いかけに対し、そう答えたのはプロジェクト担当である営業の守上。2007年に入社し、バルブ一筋で歩んできた生え抜き社員だ。「お客様にとって、問い合わせをした瞬間が一番答えを知りたい時だと思うので、その機を逃さないようにすることは心がけました」。
お客様にどうアプローチすべきかわからなくなった時、守上は自分が客として商談を受ける時のことを思い返してみる。どのように対応されれば買いたいと感じ、どんな時に商談を打ち切りたいと思うのか。自分にいったん置き換えて考えてみると、やるべきこと、やってはいけないことがはっきりと見えてくるという。新設される医薬関連のプラントにバルブを納入する今回のプロジェクト。医療系の実績もほとんどない不利な状況の中、競合2社を抑えて受注を獲得するために守上がこだわったのが、お客様であるプラントメーカーの信頼をいかにして高めるか。
そのためには、先方が何を求めているかを冷静に捉えることが大事であり、そうした姿勢が「お客様の質問に即答する」というアクションやその先の受注へと直結したのだ。
お客様とのさらなる絆づくりのためには
よい印象で案件を終わらせることが大事
では、今回のプロジェクトを通じて、一体どんなスキルを得られたのだろう。
「一つの案件が終わっても、同じお客様と別の案件でまた一緒になったりするじゃないですか。過去のプロジェクトが良い印象で終わっていれば、当然有利な状態から商談を始められますが、悪い印象で終われば悪い状態からのスタートだし、最悪、引き合いすらないかもしれませんよね。だから、とにかくプロジェクトを良い印象で終わらせることがものすごく大事だなと思います。
今回のお客様も過去に別案件でお世話になったことのあるチームで、その点、非常に受注の助けとなりました。案件自体は納期があるので、いつかは必ず終わります。またここに頼みたいと思わせて終わるのか、もうこことはやりたくないと思わせて終わるのか。案件の終わらせ方が肝だということを改めて再認識しました」。
これまで得られた経験・ノウハウをもとに
若手の頃の失敗に再チャレンジ
最後に、守上はこの先取り組んでみたいこととして「代理店営業への再チャレンジ」を挙げる。エンドユーザーに対して新規営業を行う現在の部署に異動する前、実は代理店営業、すなわちキッツの製品を取り扱っている代理店に対し、他社在庫を切り替えていく国内営業本部に所属していた守上。思い返せば、当時は全く営業になっていなかったと振り返るが、今なら当時は考えもしなかった課題や対応の仕方が見えてきたり、もっと効率的な動きができるのではなかろうか。
新規営業を通じて培った自信を胸に、もう一度、若手時代を過ごしたフィールドで勝負するのが近い将来の目標だ。「ずばり、自社の工場に意見を言えるような営業が、代理店には好まれると思います。そしてそのためには、工場の皆さんに対し、きちんと筋道立てて話をしなければならない。それなのに・・・昔は説明することを面倒くさがっていたんです。説明したって一緒でしょ、やるしかないんですよという感じ。でも、それじゃあ工場だって動きたくないのは当たり前ですよね。筋道を立てて、これこれこうだからやらなければならない、こうしないと受注できないと説明されたら、じゃあやるかとなる。自分自身、製品知識も身につき、ようやく工場に理解してもらえるような話し方ができるようになってきたという確信があるからこそ、代理店営業として今一度リベンジしたいと思っているんです」。過去の失敗経験をプラスに転じ、貪欲な姿勢で新たなチャレンジへと踏み出そうとしている守上にこれからも注目していきたい。