水素関連プロジェクト 水素関連プロジェクト
プロジェクトストーリー

「水素関連プロジェクト」 次世代エネルギー開発の最前線で活躍

ホーム > 人を知る > プロジェクトストーリー > 水素関連プロジェクト
  • 国内トップシェアのバルブメーカーとして
水素関連の様々な国家プロジェクトに参画

    国内トップシェアのバルブメーカーとして
    水素関連の様々な国家プロジェクトに参画

    資源が枯渇する心配がないこと、燃焼時に二酸化炭素を排出しないことなどから、次世代エネルギーの本命として大きな期待を寄せられている水素。その可能性を信じ、官民あげて様々な実証実験が行われているわが国にあって、キッツグループはまさにその流れを左右する重要な存在となっている。「圧縮天然ガスのスタンドで使用されるバルブを販売していたことから、2007年、水素ステーション用のバルブの研究開発を行う国家プロジェクトに参画しませんか?と現在の一般財団法人石油エネルギー技術センターから打診がありました」と語るのは、水素関連プロジェクトの責任者である渡邉。

    「こうして2008年から2012年まで5年間のプロジェクトがスタート。2013年ごろには商用水素ステーションにもバルブを採用していただけることになり、その後、自社工場にも水素ステーションを建設しました。バルブの提供だけでなく、自ら水素を使用する立場になることで違った学びが得られるはず。そんな思いの下、新たに開発したのがキッツのバルブを核に機器類を一つにまとめたユニットであり、配管設計やレイアウト設計などエンジニアリングも社内でやるようになりました。そして、もう一つの大きな柱が液化水素関係です。水素をよりコンパクトに安全な形で輸送する方法として注目されている液化ガスですが、液体にすることで温度が下がってしまうという欠点があり、そうした極低温の液体を止めたり流したりするバルブの研究開発は技術的にもかなりハードルが高いものとなります。しかし、高ければ高いほど乗り越えた時にはビジネスにつながります。そういうことで水素ステーション用バルブ及び機器の販売、エンジニアリングと、液化水素用のバルブ、現在主にこれらの事業を展開しています」。

  • 壁を乗り越えるために大切なのは
解決につながるアイデアをどれだけ出せるか

    壁を乗り越えるために大切なのは
    解決につながるアイデアをどれだけ出せるか

    プロジェクトを進めていれば、壁にぶつかることは山ほどある。そんな時の対処の仕方について、渡邉は次のように語る。「一番は技術です。私はエンジニア出身なので、壁を乗り越えるにはやはりそれしかないですから。ただ、ここでいう技術は必ずしも新しい発見のことばかりを指すわけではありません。他の市場でごく当たりまえに使われている技術がバルブ市場、水素市場では新規技術になることだってあるでしょうし、大切なのは“ここはどうしてこうなっているんだろう”“なんでこういう風に動くんだろう”など、様々なことに興味を持つことです」。

    渡邉がそう話すのも、幅広い知見を取り入れることで、何かあった時の解決の糸口を数多く出せるようになるからだという。「案さえ出れば、あとはそれを深掘りしていくためには専門会社さんの力を借りたっていいし、長けている人はいくらでもいます。自分一人で答えを出そうと気負うのではなく、色々なアイデアを考えられるエンジニアにならないと、何か壁に直面した時にそれを乗り越えることは難しいと思います」。

  • これまで膨大な開発投資をしてもらってきた
社内の期待にいつか報いたい

    これまで膨大な開発投資をしてもらってきた
    社内の期待にいつか報いたい

    「キッツのように、個人や部門の裁量にまかせて、色々なことをやらせてもらえる会社はなかなか無いのではと思っています」。そう語る渡邉の中に、浮ついた気持ちは微塵もない。「水素のように将来期待されている分野で仕事をさせていただいているのはエンジニアとしてとても光栄なことですが、一方でまだまだ十分に利益を生み出せない中で水素ステーションの建設など会社に膨大な開発投資をしてもらっているという事実はしっかり認識しておかなければならないと思っています。期待にはいつか必ず報いなければなりませんし、社内の皆さんが日々一生懸命稼いでいるお金を使って仕事をさせてもらっているということを真摯に受け止めて、近い将来は我々が全社員を食べさせていくんだというくらいの意気込みで仕事をしていかなければならないと思っています。

    新たなプロジェクトとして、2021年度から2025年度までの5年間、我々としても今まで手付かずだった水素航空機の分野で、燃料の液化水素を供給する配管系のバルブや継手の研究開発をさせていただくことになりました。水素を製造するところから、貯蔵、運搬、その他全ての工程で、キッツという名前が出てくるような存在になっていければと考えています」。