伸銅品事業
黄銅棒の製造・販売を担う
キッツグループは、黄銅棒及び黄銅加工品(切削品及び鍛造品)の製造・販売を行う伸銅品事業を展開しています。黄銅棒は、各種機械、建築資材等に幅広く使用されています。
黄銅とは
黄銅とは、銅(Cu)と亜鉛(Zn)の合金であり、銅と亜鉛の割合を変化させたり、様々な金属元素を添加することにより、電気伝導性、熱伝導性、耐食性、塑性加工性及び切削加工性等、多くの優れた特徴を持たせることができる金属です。
伸銅品事業について
株式会社キッツメタルワークスは、黄銅製バルブの素材を開発・供給するとともに、水栓金具、ガス機器、家電製品及び自動車部品等の素材として幅広く使用される高品質な黄銅棒と加工品(切削品、鍛造品)の製造・販売を行っています。グループの北東技研工業株式会社は、切削品及びロウ付け加工品の製造・販売を行っています。
環境規制に対応する新製品
近年、世界的に環境負荷物質に対する規制が強化されています。特に、欧州では鉛規制が厳格化される方向にあり、鉛レス黄銅棒の需要拡大が見込まれています。
キッツメタルワークスは、従来から販売しているビスマス系鉛レス黄銅棒「キーパロイ」シリーズに加え、高いリサイクル性を有する「キーパロイII」シリーズの販売を開始。さらに2019年には、三菱伸銅株式会社(現三菱マテリアル株式会社)とシリコン系鉛レス黄銅棒「エコブラス®」シリーズのライセンス契約を締結しました。「エコブラス®」は、JIS規格、欧州EN規格及び米国ASTM規格に登録されているグローバル材料であり、高耐食、高強度な性質を有しています。
SDGs推進企業としての取り組み
キッツメタルワークスは、長野県SDGs推進企業として登録されており、SDGs達成に向けた様々な取り組みを行っています。その一つとして、2022年4月より水力発電及び太陽光発電由来の環境価値(非FIT非化石証書)を活用したCO₂フリー電力を導入しており、CO₂排出量は導入前に比べ約85%の削減を見込んでいます。
また、同社で製造する黄銅製品は、リサイクル性が高いことが特長です。より一層のリサイクル推進により、環境負荷の低減に取り組んでまいります。
黄銅棒の生産工程
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(1)原料配合・溶解
原材料を誘導炉で溶かす。
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(2)連続鋳造
水冷式横型連続鋳造機または縦型半連続鋳造機で鋳塊を鋳造する。
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(3)切断
鋳塊を大型の切断機で決められた長さに切断し、押出し用のビレット(中間製品)にする。
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(4)加熱・押出し
ビレットを所定の温度まで加熱。押出機により、直線棒またはコイル状に押し出す。
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(5)連続酸洗(さんせん)
押出し工程で表面に付着した酸化物を、酸洗いにより除去する。
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(6)冷間抽伸(ちゅうしん)
直線棒・コイルを抽伸機のダイスに通し、正確な形状と寸法の棒材に仕上げる。
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(7)矯正・切断
矯正機によって棒材の曲がりを除き、所定の長さに切断する。
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(8)低温焼鈍(しょうどん)
棒材の残留応力の除去や硬さの調整のため、所定の温度で低温焼鈍を行う。
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(9)計量・梱包・出荷
完成した棒材を、所定の重量または本数で結束・梱包し配送する。