素材・成形技術

シンプルでも奥が深い、バルブの素材・成形技術

バルブは一般的に、構成する部品点数の少ない機器と言われています。例えばリフト構造の逆止弁は、ボデー、キャップ、弁体の、わずか3点で構成されています。

このようにシンプルな構造でありながら、バルブには水や油、ガスなど、様々な流体が流れます。流体の温度や圧力も用途によって様々です。これらの流体を安全に制御するために、 バルブの素材は、バルブ本体をはじめ、弁体や弁座及び弁棒など流体に接する主要部品(Trim:トリム)を中心に、銅や鉄、ステンレス鋼などの素材を選定し、場合によっては盛金などの硬化処理を施す必要があります。

そして、流体のみならず、バルブが接続される配管の口径や開閉の頻度、開閉手段、さらにはコストやデリバリーも考慮して、最適なバルブの素材と成形技術を選択しています。

バルブの素材・成形技術
バルブの素材・成形技術

創業から受け継がれる、素材からの一貫生産

キッツは、1951年の創業以来、青銅、黄銅、ダクタイル鋳鉄、ステンレス鋼など様々な素材のバルブの生産を、素材からの一貫生産を基本に、 鋳造や鍛造、加工、組立、検査、出荷など多くの工程を社内で行っています。特に、素材については、合金組成の開発から手掛けるとともに、 その素材に適した鋳造方法を採用するなど、生産における「より良い品質」へのこだわりが、創業以来、一貫して受け継がれています。 キッツは、飲料水に適した「鉛フリー青銅」や、腐食性流体に適した「スーパー二相ステンレス鋼」をはじめとする特殊合金鋼など、 多様なニーズに応える素材を開発することにより、90,000種を超えるバルブのラインナップを有しています。

素材からの一貫生産
素材からの一貫生産

特殊合金の開発や樹脂ライニング技術への挑戦

キッツは、ステンレス鋼から高ニッケル合金鋳物までの幅広いラインナップの中から、自社の腐食試験データに基づいた材料選定により、お客様の使用環境に適したバルブを提供しています。

また、バルブの本体材質にダクタイル鋳鉄やステンレス鋼などの汎用的な素材を採用してコストを押えるとともに、流体に接するバルブ内面を樹脂で被覆することにより耐食性を確保した、 樹脂ライニング構造のバルブも提供しています。バルブの種類も、ゲートバルブからボールバルブ、さらにはバタフライバルブやダイヤフラムバルブへと、ラインナップを拡充しています。

この内、フッ素樹脂ライニングについては、流体の耐透過性を考慮した十分なライニング層を確保し、かつ内部シールや外部シールも行う柔軟性のある構造が求められます。 キッツでは、構造解析や試作評価を重ね、バタフライバルブにおいては、ライニング層とバルブ本体との間にゴムなどの弾性体を用い、十分なシール性を得られる新構造を開発しました。 また、バタフライバルブのライニング層成形に必要な装置も新たに開発し、呼び径600Aのサイズまで内製化することに成功しました。

特殊合金の開発や樹脂ライニング技術への挑戦1
特殊合金の開発や樹脂ライニング技術への挑戦2

持続的な成長に向けた取り組み

キッツは、創業から受け継いできた素材からの一貫生産をさらに深化させるため、IoTやAIなどのデジタル技術を活用し、鋳造条件などを最適化するとともに、 鋳造型の成形に3Dプリンターを活用するなど、スピードやコストを踏まえながら、新たな技術の導入に取り組んでいます。

また、電気及び電子機器における有害物質の使用制限に関するEUの指令(RoHS2)に適合できるよう、銅合金製バルブや継手における鉛含有量を0.1wt%に抑える取り組みを進めています。

キッツは、これからも、生産における「より良い品質」の追求に加え、カーボンニュートラルの実現に向け、生産に必要なエネルギー消費を抑制するなど、CO₂排出量の削減や鋳物砂などの資材のリサイクルを強化し、 環境負荷を低減した製造プロセスづくりに継続的に取り組んでまいります。

持続的な成長に向けた取り組み
持続的な成長に向けた取り組み

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