半導体製造プロセス向けクリーン対応技術

半導体製造プロセスに用いられる流体とは

半導体を製造する際には、まず、シリコンなどの半導体ウェハーを研磨し、その研磨面に酸素や窒素などを用いて薄い絶縁膜を形成します。そして、絶縁膜上にフォトレジストと呼ばれる感光剤を塗り、光を照射して微細な電気回路を焼き付け、現像液により不要なフォトレジストを除去する、という一連の工程を繰り返します。

このような半導体製造プロセスに用いられる流体としては、酸素や窒素などの高純度ガス、特殊材料ガスのほか、研磨などに用いられる超純水、フォトレジストの除去に用いる現像液や剥離液などがあり、これらのガスの排気のほか、排水や排液なども流体制御の対象となります。

半導体製造プロセス向けのフィルターやバルブ

キッツは、1997年にフォトレジスト用中空糸膜フィルター(商品名:ポリフィックス)の開発に成功し、現在では グループ会社の株式会社キッツマイクロフィルターにおける主力商品の1つとなっています。材質はポリプロピレン製やポリエチレン製などをラインナップしています。ろ過精度は、半導体の集積度の高まりに伴い、ウイルスよりも小さい5nm(1nmは1mmの百万分の1)の物質ろ過を可能とするなど、高いレベルのクリーン化技術をお客様に提供しています。

また、グループ会社の株式会社キッツエスシーティーでは、高純度ガス用のバルブや継手を中心に、豊富なラインナップをそろえています。特に、ステンレス製のバルブには、電気分解などによって素材表面の細かな凹凸をミクロン単位で取り除く研磨を施すとともに、ダイヤフラムと呼ばれる弁体などにも工夫を重ねることで、400万回の弁開閉でもパーティクル(微細な不純物)の発生を抑える、クリーンなバルブを安定的に提供しています。

フォトレジスト用中空糸膜フィルター
フォトレジスト用中空糸膜フィルター

半導体製造プロセス向けのユニット機器

株式会社キッツエスシーティーは、ウェハー表面の研磨に用いるCMP(Chemical Mechanical Polishing)装置に用いる純水を昇圧するユニット機器も提供しています。機器内部のポンプや配管には、金属イオンの溶出が少ない材質を採用するとともに、0.1μm のフィルターを装備して、パーティクルの流出を防止したクリーンな純水を高い圧力 (0.25〜0.35 MPa)で安定的に供給することができます。

また、東洋バルヴ株式会社が提供している除菌浄化・水処理装置(商品名:ピュアキレイザー)は、半導体工場のメッキ洗浄工程などで使用される純水を再利用する用途にも用いられています。純水には殺菌作用がないため、繁殖した細菌が不純物として混入するおそれがあります。ピュアキレイザーは、オゾン・紫外線・光触媒を用いた促進酸化処理により、殺菌用の薬品を用いることなく、純水の再利用に活用していただいています。

ピュアキレイザー
ピュアキレイザー

持続的な成長に向けた取り組み

日々進化するエレクトロニクス産業においては、タイムリーかつスピード感ある技術提案が求められています。そして、環境負荷の低減を図りながら、樹脂素材の価格上昇や統廃合にも対応し、お客様にクリーンな流体機器を持続的に供給する必要があります。キッツグループは、さらなる微細化や低溶出化など、クリーン化技術の開発に挑戦し続けるとともに、樹脂素材のサプライヤーなどのお取引先様やお客様との対話を通じて、ともに成長を目指してまいります。

持続的な成長に向けた取り組み
持続的な成長に向けた取り組み

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