Cv値計算、流速計算、単位換算、各種計算ツール
実務に役立つ各種計算ツールを用意しました。
単位換算
- ■単位換算とは
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単位換算は一般的な物理学の計算で単位を変換する計算です。
バルブの場合は流体を流すため、よく使われる単位換算は流体に関する単位になります。
そのため、圧力単位、温度単位、粘度単位、流量単位などが対象になります。【圧力単位換算】
圧力単位換算では、絶対真空を基準とした絶対圧力と大気圧力を基準としたゲージ圧力との間で単位換算することが
比較的多い傾向があります。絶対圧力とゲージ圧力の間には下記の関係があります。
絶対圧力 = ゲージ圧力 + 大気圧力
【温度単位換算】
温度には4種類あります。その内、絶対0度を基準とした絶対温度[K]と日常で使われる摂氏温度[℃]間で単位換算することが比較的多い傾向があります。
絶対温度と摂氏温度には下記の関係があります。
絶対温度[K] = 摂氏温度[℃] + 273.15
【粘度単位換算】
粘度と動粘度では表しているものが異なります。粘度での単位換算、動粘度での単位換算以外に粘度と動粘度間でも単位換算が行われます。
粘度と動粘度には下記の関係があります。動粘度は粘度を密度で除算したものです。
動粘度 = 粘度 / 密度
【流量単位換算】
液体流量の単位換算と気体流量の単位換算で考え方が若干異なります。気体の場合は温度や圧力によって体積が変化するため若干複雑です。
そのため気体では大気圧力と温度0℃を基準としたノルマル流量がよく用いられます。
実際に使用する温度と圧力の流量である実流量と、上記のノルマル流量との単位換算が比較的多い傾向があります。
Cv値計算(簡易式)
- ■Cv値とは
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Cv値はバルブの容量係数の1つであり、一般的に使用されているものです。
バルブの容量係数とは、「ある特定の下で与えられたトラベルにおける流れの容量を表す係数の事を指します。」(JIS B 0100のバルブの用語より)
バルブの弁開度、弁前後の圧力差(差圧)などの定められた条件下で、バルブに流体を流すことのできる性能のようなものを表した係数です。
バルブのCv値が大きい方が流体が流れやすい傾向があります。同じ差圧であればCv値が大きいバルブの方が多く流体を流すことができます。
バルブのCv値はバルブの種類やサイズ、形状によって異なります。
バルブの開度ごとのCv値はそのバルブの流量特性を表します。
バルブによって流量をコントロールする場合は、配管の中を流れる流体の圧力、温度、流量などによりどの程度のCv値が必要かを計算することで、そのCv値に合ったバルブを選択することができます。
- ※この計算はバルブの情報を含まない簡易計算です。バルブの選定の際にはバルブの特性を考慮して選定してください。
計算結果で発生した不具合に関しては、責任を負いかねますのでご了承ください。 - ※乱流を前提とし、粘性の影響は考慮していません
- ※理想気体としての換算となりますので実在流体と差が生じる場合があります。
流速計算
- ■流速計算とは
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流速計算は流体力学の基本的な計算の1つです。
流速は配管内を流れる流体の速さです。体積流量を断面積で除算することで求めることができます。
ここで、体積流量は単位時間において配管内を通過する流体の体積を表します。
流速 = 体積流量 / 断面積
質量流量から流速を求めることも可能です。その場合は、質量流量を密度で除算することで体積流量に変換します。
次にその体積流量を断面積で除算することで流速を計算します。
体積流量 = 質量流量 / 密度
- ※この計算はバルブの情報を含まない簡易計算です。バルブの選定の際にはバルブの特性を考慮して選定してください。
計算結果で発生した不具合に関しては、責任を負いかねますのでご了承ください。 - ※理想気体としての換算となりますので実在流体と差が生じる場合があります。
PTレーティング補間計算
- ■PTレーティング補間計算とは
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PTレーティングとは圧力-温度基準のことで、流体の温度と許容圧力との関係を表します。
一般的に温度が高くなれば使用するために許容される圧力は下がります。また、使用する材料が異なれば値が異なります。
PTレーティング補間計算とは、既知の2つの圧力と温度から直線近似補間計算をすることで、2点間の値を計算することです。
直線近似補間計算とは、既知の2つの圧力と温度の間が直線的に変化するものと仮定した上での計算です。
- ※ この計算では入力した2点間の値を線形補間して計算します。
- ※ バルブの選定では、フランジを含む本体材料のPTレーティングだけではなく、パッキン・ガスケット・ボールシート・Oリング等のPTレーティングの確認も必要ですのでご注意ください。