バルブの状態把握・故障予知技術
様々な用途に応えるバルブ
バルブは、お客様の目的によって様々な使い方があります。毎日のように頻繁に開閉されるバルブもあれば、年に一回、配管点検の際にのみ開閉されるバルブもあります。 バルブが制御する流体もまた、水やガスのみならず、蒸気やスラリー(固形物が混ざった液体)、あるいは粉体など、様々なものがあります。 特に工業用途のバルブは、開閉頻度や流体の種類・圧力・温度に適したバルブを選定する必要があります。キッツは、これらの用途にお応えできるよう90,000種を超えるバルブのラインナップを有しています。 また、バルブは定期的な点検やメンテナンスが必要ですが、予期せぬ不具合によるプラントの稼働停止を防ぐ必要があります。 キッツはバルブの状態を把握し、故障を予知する技術開発にも取り組んでいます。
特殊なアクチュエータも自社で開発
キッツは、バルブを自動制御する駆動機器(アクチュエータ)も自社で開発・製造しています。電動式のほか空気圧式があり、 電源や空気圧が絶たれるなどの緊急時に、スプリングの力でバルブを閉方向に駆動するリターン構造を採用したアクチュエータなどもラインナップしています。
プラント用のバルブに用いるアクチュエータでは、安全計装システムや予知保全による維持管理で求められるパーシャルストロークテスト(PST)に対応した、
特殊なアクチュエータも製造・販売しています。多くの納入実績を持つ二段開閉空気圧式アクチュエータの技術をベースにPST機能を実現し、
国際規格IECで定められたシステムの安全性を示すSIL(Safety Integrity Level)3認定を取得しています。
このようにキッツは、お客様のニーズに対応するバルブとアクチュエータの最適な組み合わせを提案しています。
デザイン思考の手法も取り入れたメンテナンスソリューションの提供
キッツは、お客様に提供する価値を、デザイン思考の考え方も取り入れながら探求しています。プラントの予期せぬ停止は、お客様のみならず社会経済にとっても大きな損失となるだけに、未然に防がなければならない大事な課題です。すでに規模の大きなプラントでは、プラントの建設段階から設備保全システムを導入し、機器や装置のデータを収集して、操業を止めないための予知保全が行われています。
そこで、キッツは、「明日から始められるバルブトラブルの未然防止ソリューション」をコンセプトに、導入にかかわる電源や配管工事を不要とし、プラント稼働後にも後付け可能なバルブの状態把握・故障予知システムに注目しました。バルブやアクチュエータにセンサを取り付け、IoT技術を用いてバルブなどの状態を遠隔で把握し、わずかな変化をAIで可視化することにより、異常の兆候を検出し、バルブトラブルを未然に防ぐ診断サービスを開発しています。
持続的な成長に向けた取り組み
キッツは、バルブとアクチュエータの双方に関するノウハウを活用し、これらの使用状態をビックデータとして蓄積のうえ、 AIなどによる分析を通じて、バルブの状態把握や故障予知などのメンテナンスソリューションの提供に挑戦しています。これらのデジタル技術の活用にあたっては、センシング技術やAIに関するパートナー企業との共創を図りながら開発を進めています。
今後もキッツは、グループ会社の株式会社キッツエンジニアリングサービスをはじめ、 国内外のパートナー企業やキッツオフィシャルメンテナンスショップ網を通じて、各地のお客様にご満足いただけるアフターサービスを提供してまいります。