分離・浄水技術
流体の付加価値を高める
配管を流れる流体には、水垢などの異物や、配管の腐食に伴うゴミが混入することがあり、そのまま放置すると、バルブの弁座を損傷して内部シール性能が低下したり、 流体を扱う装置の運転に支障が出たりするおそれがあります。これらのトラブルを未然に防止するために、流体中の異物などを分離・除去する「ストレーナ」が重要な役割を果たします。 この「ストレーナ」は、流体中の異物などをろ過する網(スクリーン)を内蔵し、そのスクリーン内に溜まった異物などを、ストレーナ本体が配管に接続されたままの状態で除去できる構造となっています。 この分離・ろ過技術を深化させ、より高度なクリーン化を実現することにより、流体の付加価値を高めることができます。
分離・浄水技術の深化(キッツグループの強み)
キッツは、流体制御機器の機能の高度化や多様化を追求していく中で、1985年から中空糸膜フィルターの開発に着手し、1990年に家庭用浄水器(商品名:オアシックス)を発売しました。 この家庭用浄水器は、グループ会社の株式会社キッツマイクロフィルターにおける主力製品の1つであり、水道の蛇口に直接つなげて使える家庭用浄水器(商品名:ピュリフリー)を新たなラインナップに加えることにより、 ペットボトルのミネラルウオーターよりも経済的に、安心・安全な水をご利用いただいています。
また、グループ会社の株式会社清水合金製作所では、可搬式膜ろ過装置(商品名:アクアレスキュー)を開発し、2004年に発売を開始しました。 この商品は、浄水場原水や防火水槽、井戸など様々な水源から取水し、膜モジュールによるろ過や次亜注入により、水道水の水質基準をクリアする水を1台でつくることができる浄水装置です。 コンパクトなユニット構造により、移動や搬入を容易に行うことができ、小規模の浄水施設や、災害時の避難所などでも活用されています。
除菌・浄化技術への進化
グループ会社の東洋バルヴ株式会社では、オゾン・紫外線・光触媒を組み合わせた除菌浄化・水処理装置(商品名:ピュアキレイザー)を開発し、2006年に販売を開始しました。 プールや温浴施設における冷温水の殺菌や塩素臭の除去、あるいは水耕栽培における培養液の除菌・浄化などのニーズに応えるものです。バルブメーカーが手掛ける除菌・浄化装置ということもあり、お客様から厚い信頼を得ています。
また、ピュアキレイザーはコンパクトなユニット構造を採用していることもあり、その用途をメッキ工程の洗浄槽などの工業用にも拡大し、公共施設から民間施設まで幅広いニーズにお応えしています。
持続的な成長に向けた取り組み
キッツは、清潔で安全な水を必要とする人々が、必要なときに必要な場所で利用することができるよう、グループ会社が保有する分離・浄化技術を結集し、 コンパクトなユニット構造を採用するなどの特徴を活かしながら、新たな技術開発に取り組んでいます。そして、お客様に最適なウォーターソリューションを提供することにより、 持続可能な社会づくりに貢献しています。