品質への取り組み
量産品の品質管理
キッツ茅野工場では、主に量産品を製造しています。品質と量産の両立のため、日々、改善に取り組んでいます。鋳造工程では、自動注湯により作業者のスキルに頼ることなく、高品質な鋳物を安定して生産することができます。その一方で、すべての工程を手作業で行うラインを設け鋳造スキル習得と技術伝承を進めています。また工作工程には組立ロボットを導入しており、部品の誤った混入を防止するとともに作業者の負荷を低減しています。さらに、検査工程では、AIによる画像判定技術により、材質やサイズの鋳出し文字や表記の合否を自動で判定しています。これらにより、品質と量産の両立を実現しています。また、モニターに生産している製品の資料を映すことにより、生産現場で正しい作業が行われているかどうかをいつでも確認できるようにしています。
特注品の品質管理
キッツ伊那工場では、特注品の大型バルブを製造しています。高品質なバルブを製造するため、異なる仕様においてもミスを防ぐ仕組みづくりを進めています。組立工程の検査では、それぞれの製品に対応したQRコードを読み取ることで、自動で検査圧力を設定しています。これにより人による判断業務をなくし、検査圧力の設定間違いを防止することができます。
特殊ステンレス鋼及び高ニッケル合金鋳物バルブの品質管理
キッツ長坂工場では、耐食性に優れた特殊ステンレス鋼及び高ニッケル合金鋳物を材料とするバルブを製造しています。これらの特殊材料バルブは数十種にも及び、その取り扱い数は国内トップクラスです。長年培われてきた高い鋳造技術や、先端技術である凝固シミュレーションによる鋳造方案設計等により、お客様のニーズに対応した多様なバルブを自社内で開発・製造することを実現しています。徹底した工程管理のもと、公的規格よりも厳しい独自の基準で熱処理、材質確認、非破壊試験を実施することで、安全性の担保に努めています。
IT技術を活用したカスタマーサポート体制
キッツでは、客先で品質不具合が発生した製品に対してオンラインでの確認を実施しています。お客様とキッツのサポート部門をオンライン会議システムで繋ぎ、ヒアリング及び映像での製品確認を通して、不具合の原因究明や対策の提案を行っています。これによりお客様からの製品返却における費用や手間の削減、解決までのリードタイム短縮を実現しています。さらに、客先に伺って対応する場面においても、必要に応じて設計や品質管理等の社内関連部門をオンラインで繋ぎ、映像とともに現場の状況をリアルタイムで共有しています。関連部門が同時に状況を把握することにより、その場での原因究明、課題解決が可能になります。
オンライン立会
キッツではインターネットを活用したオンラインによる立会検査を実施しています。これまでの立会検査は、お客様に工場に出向いていただき検査を確認していただいていましたが、オンライン立会検査ではお客様と工場をオンライン会議システムで繋ぎ、立会検査担当者が対象製品の検査項目や内容、状況を説明します。検査風景や詳細部分などをカメラで撮影し、検査状況の映像をリアルタイムで確認いただいています。オンライン会議システムを活用することでお客様の移動のご負担をなくし、フレキシブルな日程調整が可能になったほか、遠隔でもお客様と工場の双方向のコミュニケーションが可能になり、対面と同様の臨場感のある立会検査を実現しています。なお、従来通り、対面での立会検査も実施しています。
製造工程での品質の作り込み
キッツでは、製品の品質向上をより確実に実現するため「QAネットワーク活動」を推進しています。QAネットワークとは、品質保証の網を張り、品質面の見える化により、品質不具合の発生・流出を未然に防止する手法です。様々な品質不具合を事前に想定し、重み付け・リスク評価を行って問題点を抽出して、基準の作り込みや見直し・ハード面の改善に繋げるなど、最終検査で品質を確認するのではなく、製造工程での品質の作り込みを進めています。今後も継続的に改善活動を行ってまいります。
プロセスの自動化によるコンプライアンスの強化
キッツでは、専用タブレットとノギスを無線で接続した寸法測定を始めています。寸法測定結果は専用タブレットに記録され、その情報からお客様に提出する寸法検査表が自動で作成されます。製品寸法の記録から寸法検査表の作成まで人の手を介さずに行うことが可能となるため、正確性の向上と、業務の効率化に繋がっています。また、記録の改ざんや不正が防止できるため、コンプライアンスの強化にも大きく寄与しています。