チャッキバルブ(逆止弁)は、流体の流れを常に一定方向に保ち、逆流を防止する機能を持つバルブです。ジスクは、流体圧によって押し開かれる状態になりますが、逆流するとジスクが背圧によってボデーのシートに密着して、逆流を防止するものです。チャッキバルブには、三つ(スイングチャッキバルブ、リフトチャッキバルブ、ウェハチャッキバルブ)の代表的な形式があります。
チャッキバルブ(逆止弁)
3種類のチャッキバルブの流体を流す・止める動作原理をご紹介します。
スイングチャッキバルブ
円盤状のジスクの一端を「蝶つがい形式」にして、ボデーなどに吊るし自由に動く構造で、圧力損失が小さく、流体が流れやすい構造です。水平配管はもちろんのこと、縦配管(下から上向きの流れ)にも使用できます。
スイングチャッキの製品情報は、材質毎のバルブカタログに収録されています。
バルブの材質を選んで、カタログをご覧ください。
リフトチャッキバルブ
グローブバルブからステム、ハンドル、その他開閉操作部分を取り外し、蓋をした構造です。流体抵抗が大きく、小さい口径のものが主です。水平配管に使用します。
リフトチャッキの製品情報は、材質毎のバルブカタログに収録されています。
バルブの材質を選んで、カタログをご覧ください。
逆止弁(ウエハチャッキバルブ)
ポンプ直取り付けが可能です。
流体による発生するチャタリングの抑制機能がついています。
ボデーがウエハー形をしており、従来の衝撃吸収式逆止弁と比較し大幅な薄型・軽量化を実現。薄型ボテーでありながらバイパス回路を内蔵し、優れた封止性を持つなど、多機能・高性能な衝撃吸収式逆止弁です。
ウォータハンマ軽減
独立式スプリング機構が流体の逆流直前に急閉、ウォータハンマ発生を軽減する衝撃吸収式逆止め弁で、ポンプなどの配管装置を保護します。
ポンプ直付け可能
ジスクの開口度を適正にして、ジスクのピン挿入部、ピンの国定方法を変更し耐久性を向上させることで、ポンプ直付けが可能になりました。
バイパス回路内蔵
薄型ボデーでありながらバイパス回路を内蔵、配管設計・施工が大幅に合理化されます。
取扱いしやすいウエハタイプ
薄型・軽量なため、取付けスペースが小さく、取り付け作業も合理的に行えます。
優れた封止性能
ゴムシート(標準:NBR)とスプリング機構で、従来のチャッキバルブにみられない優れた封止性を発揮します。
【注意!】ポンプ直取り付けについて
※ステンレス鋼製製品は構造が異なる為、ポンプ直結では使用出来ません。
製品の前後に2D以上(ポンプ吐出に2サイズ拡管がある場合は3D以上)の直管部を確保してください。
KITZウエハチャッキバルブは、公共建築工事標準仕様書に指定される衝撃吸収式逆止弁です。
また、消防安全センター認定品、日本水道協会認証品並びにSAS358規格取得品も取り揃えています。
- 公共建築工事標準仕様書に、揚水ポンプや空調用ポンプに付属する逆止弁は、「バイパス弁付きで、全揚程が30mを超える場合は衝撃吸収式とする」と指定されています。
- 使用条件に合ったスプリングの選定を行ってください。範囲外でのご使用は振動音の原因となる場合がございます。「スプリングの選定基準」(P5)をご参照ください。
スプリングの選定基準
KITZウエハチャッキバルブのジスクに装着するスプリングには、標準製品に装着される「標準トルクスプリング」のほかに「低トルクスプリング」「高トルクスプリング」があります。この選定にあたっては次の基準を目安にしてご指定ください。
ウエハチャッキのスプリングの選定
流 体 | サイズ | 流 速 | スプリング |
---|---|---|---|
気 体 | 全サイズ | – | 低トルク |
液 体 (揚程約80m以下の水平配管、及び縦配管の上向き流れ配管) |
100A以下 | 0.5m/s以上 1.0m/s未満 |
低トルク |
1.0m/s以上 4.0m/s以下 |
標準トルク | ||
125A以上 | 1.0m/s以上 1.5m/s未満 |
低トルク | |
1.5m/s以上 4.0m/s以下 |
標準トルク | ||
液 体 (揚程約80m以上の配管) |
全サイズ | 1.0m/s以上 4.0m/s以下 |
高トルク |
スプリングの種類の表示
(例1)
バイパス弁用ハンドルの銘板に表示(例2)
ボデーの鋳出し(圧力、サイズ)表示近くにラベルで表示